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おもしろい話  成長が早くなった。・・・3 [マダイ 元気]

おもしろい話  成長が早くなった。・・・3

魚類も代謝が上がるんだろうなあ!

特に変温動物では、冬場の代謝機能で差がつくだろうなあ。

同じエサ(モイストペレット)、同じ管理で、餌の練り水だけ
機能水(ネオ)に変えました。対照区は水道水。

テスト
養殖マダイ 1  (飼料メーカー)

2ケ月半 増重量

鯛 モイスト成長 増肉係数 (2).png

マダイ増体重79日間.png

増体重 25.6% 増


テスト
養殖マダイ  2 (飼料メーカー)

10ケ月間   増体重

マダイMP投与テスト 北灘.png

マダイ増体重269日間.png

増体重 32.4%  UP




野人のたわごと


個人的には

魚類も動物もATPは同じ反応で作られるから、当然そこらへんの代謝生合成の機能が活発になれば、同じような結果が期待できるんではないか? と思います。

魚類は変温動物なので、とくに冬場の代謝が下がるのでそこらへんで差が出てくるということもあると考えられます。

そのあたりの検証につながるデータも、探しておきます。


また 代謝が良くなることを期待して、エサのCP比を変えています。
当然Pの配合を増やし高い餌にしています。

代謝出来れば、増肉係数が向上しエサが実質安く上がるでしょう。 そして、エサやりの労働時間も減って費用対効果もますます良くなります。


色々なやり方があると思います。

ちょっとしたことで、経営内容が向上する(経常利益率があがる見込みがある) ようなことがあれば、試して見られればよろしいかと思います。

こういう 面倒くさいことの繰り返しが、経営のアドバンテージになってくると思います。


だだし、飼養管理が基本であると思います。
ここら辺の手抜きの無いようにしなければなりません。

チャンスを逃がさないようにするために。

「チャンスの神様に、後ろ髪はない。」・・・そうです。



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おもしろい話  成長の「ばらつき」がなくなった。・・2 [おもしろい話]

おもしろい話  成長のばらつきがなくなった・・・2


出世魚・・・ぶり



「ぶり」は出世魚と呼ばれ、稚魚期から

モジャコ→ ツバス(ヤズ)→ ハマチ → ブリ

などと呼ばれます。(地方によって呼び名が違う。)


ぶりまで多尾数を一貫生産する場合、モジャコからツバスあたりまでを中間育成とし、
大手養殖会社では、牛と同じように担当や事業所を分けたりしているところもあります。


牛などの畜産動物と同様で、この時期にしなやかに伸びた、キレのある、大きく揃った中間魚ができるか否かが、その後の飼養管理に大きな影響を与え、ひいては事業業績(特に経常利益率)に大きな影響が出てきます。

農業でいう「苗半作」「苗七分作」であります。


以下、 以前に取り組んで成功した
「中時間育成でのばらつきをなくす。」ために行った、3年にわたるテスト結果の一部です。


写真は、出荷用の「モジャコ」

飼料設計を変えたことで、ぬめりの多い良く伸びた非常に良いモジャコになったとの事でした。

25.モジャコ高知手結中山さん.jpg


R2年12月31日ぶり中間育成テストDocument_31_12_2020_0002.jpg




ご存じのように、事業会社ではテストを行った場合、データだけでは認めてもらえません。

研究機関ではないのです。あくまでも、経済活動として事業を行っており、最終的に利益貢献額や費用対効果を求められます。

この場合、3~4ケ月の短期間、エサの変更を行っただけで、
3年間共に、売り上げ換算額の大幅増となりました。

もちろんそれにかかった、諸経費は飼料代金以外、ほとんど変わりません。
(人件費、エサ代、船の燃料、償却、etc.)

(他の資料に関しては、今回は割愛致します。)



野人のたわごと


これまで30~40年たくさんのテストをさせていただきましたが、ほとんどの会社やご主人先には、大きな業者さんなどが毎日のように出入りされており、がっちり食い込んでいる先ばかりでした。


よっぽどのことがない限り、

テストするつもりのご主人たちの意向も、どこかの段階で取り消され、いままでどおり枝葉末節に資本を投下する、対症療法的な解決方法を繰り返すのが普通であり、周りの方々も(社員も含め)面倒くさいことなどやるつもりはないという方がほとんどでした。

オーナー経営者の場合、規模の大小にかかわらず、トップとそれ以外の方々(役員含む)の意識の差は大きく広がっていき、それがトップが精神的に患う(悩む)要因の一つにもつながっていると思います。

この時の 養殖会社の中間育成の事業所長は、やはりばらつきでお困りでした。そして3年間の試験に踏み切られました。(責任者や担当者が変わるとまた元にもどることも多々あります。)

確かに 現在どの業界も優良経営農家さんと 苦しんでいる農家さんに 大きく分かれてきてるように感じます。

また、大企業に有利な政策や税制がどんどん施行されていきます。

しかしながら、 やり方によっては まだまだ適正規模や小規模経営のほうが強くなれるやり方(生き筋)もあると思います。

色々なやり方や考え方があると思います。

おせっかいな業者さん(外向いて仕事している本物の営業マンや専門家、技術屋さん など)がいたら、ラッキーかもわかりませんよ?(笑)


彼は、「妙なことを言っているのではない。」 のかもわかりません。

他の方が共振(共鳴)できなかった のかもわかりません。(笑)


「すべては振動であり、その影響である。・・すべてのものは振動で構成されている。」
 マックス・プランク
                
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おもしろい話 養殖魚類と牛・・・2 [マダイ 元気]

高知の ブランド真鯛 ・・・ 「海援鯛」 と 「牛」

2020年12月

土佐 浦の内の漁師さん達から、「お歳暮」が届きました。
今年は、ひとまわり小ぶりです。
魚体重は 1、8から1、9Kgくらいでしょうか。

この鯛が、来春2Kgをはるかに超え 3月頃から桜の季節にかけて
「桜鯛」として旬を迎えます。

養殖の餌料も、どんどん高くなり、相場は原価を切り大変な中、漁師の皆さん精一杯踏ん張っています。

数カ所あった餌料原料の漁場が、チリ沖一ヶ所になり、中国に買い負けしてることもあり、高騰してきたと、お聞きしたことがあります。

現在は、代替えタンパクの研究などがされており、近いうちに魚粉の少ない餌に変わっていくものと思われます。

海援鯛 も餌料の見直しをしてきたため、1週間程かけて、 鮮度や食味の試験を兼ねて、いただこうと思います。

いつも、大切な商品をいただき、ありがとうございます。
まずは、御礼申し上げます。

このような骨の伸びが良くて、筋肉が張った、肉の歩留まりのよい「鯛」をつくってきた経験が、

「和牛」の 濡れ子の育成 や 肥育 のお話をいただいた時のヒントになってきました。


フレームのよい、のびのびとしたキレのある  よい子牛が、たくさん育つように頑張ります。

写真は
海援鯛 生産履歴 などです。

海援鯛2020IMG_2642 (002).JPG

海援鯛2020IMG_2646 (002).jpg

海援鯛2020IMG_2647 (002).jpg

海援鯛2020IMG_2648 (002).jpg


おもしろい話  養殖魚類と牛・・・1 [ハマチ 元気]

おもしろい話  養殖魚類 と 牛 ・・・2
  +
年末のごあいさつ 


ブランド鰤・・・「ひろびろいけすぶり」 + 年末のご挨拶

九州の養殖会社さんから。「ひろびろいけすぶり」のお歳暮が届きました。
ありがとうございます。心より御礼申し上げます。

「ひろびろいけす」は、大きくて深いいけすで育てられた高級養殖ぶりです。

ブリは過去に、漁家の方々や 養殖会社さんから

「 ぶりの中間育成 (モジャコ:稚魚~ツバス) 」

成長のばらつきをなくして伸びのある大きなツバスにそろえる。

「 ぶりの成長と肉質 」

成長(増肉係数)の向上や、鮮度が長持ちし、きめ細かいサシの甘くておいしい肉質をつくる。

等で、お声をかけていただいたことがあります。



これらの経験も

和牛の「濡れ子から中間育成」や「肥育」 などのお声掛けいただいた時の役に立ちました。

フレームの良い、しなやかで切れのある、いい子(子牛)がたくさん育つように頑張ります。



そして、
今年はCOVIT-19にやられました。世界中ボロボロです。
しかし何があっても、乗り越えてゆくしかありません。
お互い頑張っていきましょう!

「艱難汝を玉にす。」であります。

 みなさま、良いお年をお迎えください。 来年もよろしくお願いいたします。

ひろびろいけすIMG_2680 (002).JPG


ひろびろいけすIMG_2681 (002).JPG



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おもしろい話  なんでおいしくなるの?・・・1 [おもしろい話]

おもしろい話   なんでおいしくなるの?・・・1

「ぶり」「まだい」 の成長を良くするための試験をした時、

愛媛でも、九州でも、データを取り終えた後、食べると いつも

「大きくなった試験区の魚が、えらく美味しいんです。 いつも。 それも、全然味が違うんです。 甘みやうまみが。」



以下、養殖会社での食味アンケートの結果です。

当時担当 現重役Nさん(獣医師)いわく、「これだけ差が出たのは初めて。」との事でした。


img兵殖 食味ハマチ051.jpg





これとは別に、高知での「鯛」の食味テストで

ある飼料メーカーの技術者が、食味をした後 試験区のほうが評価が多かった時に、

アミノ酸組成を見て、

「試験区はヒスチジンが多いので苦み成分が多く、あまりよくないはずだ。」

と言われたことがありました。 



またあるメーカーさんは、愛媛でハマチ食味テストをした時

「うちの餌だから、これだけの差が出たのだ。」とおっしゃいました。


 皆さんそれぞれ 自由な意見・発想でいいと思います。




野人のたわごと

「対照区より、大きくなった。」「食べたらえらく美味しくなった。」 という結果(事実)
から、


「ヒスチジンが多いのは、試験区のハマチの生育成長が強く、よく太った要因ではないか? ヒスチジンは、成長期の子供(稚魚)に多いアミノ酸だから。」


「これだけ甘くて美味しいのは、ATPの生産効率が良く、生命エネルギーが多いから、 ATP→ AMP→ IMP(イノシン酸)の絶対量が物理的に多いのも一因ではないか?」 現に、死後硬直しなかったように感じたではないか!

と「野人のたわごと(直観)」を個人的見解として、述べた覚えがあります。

本当のところは判りません。
まだまだ正確には判ってないことが、たくさんあると思います。 どの分野でも。

その中で 漁家のご主人は屁理屈よりも、ただただ すべての魚が死なないで、早く大きくなって出荷できたらいいんです。
それを目標に日々一所懸命頑張っておられます。


海援鯛筋肉組成220210105_16151253 (2).jpg


海援鯛筋・ビタミン組成220210105_15245756 (3).jpg



野人 大いに結構!

「だいたい人がやってない、おかしなことをやるのは、過去も今もほとんどが『野人』の様です。」(笑)

時間や エネルギーや なけなしの資本をつっこんで。

そのなかから、新しいことが生まれる事もあるんです。  すごく、まれに。(笑)





「すべては振動であり、その影響である。」  物理学者 マックス・プランク 

であるなら

「君子の侍」と出会ったときに出来た、若いころの様々な「気概に満ちた物語」は、やはり 人どうしが共振したからなんだろうなあ。

全ては、振動でできている。・・・んだろうなあ! おそらく。 (笑)
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魚元気情報  鮮度も長持ちするんだ。(メト化) [魚元気情報]

おもしろい話  鮮度も長持ちするんだ。 ・・・1 (メト化)


肉や魚の赤身が褐変することを「メト化」と言います。
冷凍や冷蔵輸送などの技術が開発されてきましたが、飼養管理(飼料設計などすべて含む)でも差が出ることがあるようです。


メト化とは、筋肉中に存在するミオグロビンが酸化しメトミオグロビンになることであり、血合い肉中に多いヘム鉄が二価のオキシ化した状態から、三価のメト化した状態に酸化することとされています。

当時 飼料メーカーさんや漁家のご主人達は、抗病や肉質改善などを目的に、餌のビタミンを強化したり、色々なスパイスや カプサイシンなどのポリフェノール などを添加したりしていました。
現在では、試験的にシルクパウダーなども 添加しているとお聞きしたことがあります。

また個人的には、上記の様な添加物も全て、免疫や代謝機能を高める作用のあるものではないかと思います。

魚や野菜などの食材は、鮮度や日持ちが大きな付加価値の一つだからです。

生体細胞が活性化してくると、当然細胞内の各器官の機能も本来の活性状態になってくるということも関係しているのではないかと考えています。

例えば、ミトコンドリアの酸化的リン酸化の熱力学的な効率は、健康状態で約43%と、言われていますが、

ある活性状態になると、70%程度になることがあるということです。
当然ATPの筋肉内濃度も高くなると考えられます。

ミトコンドリアは、生命エネルギーATPを効率よく生産しますが、

鮮魚などでは細胞内(筋肉内)のATPが0になった時点で、死後硬直が始まり、そこから見落ちが始まります。

当然、見落ちの早い鮮魚は評価が低く、セリ値も安くなります。

セリ人が、手鉤で並べられた魚をひっかけているのは、筋肉の硬直の状態を見る目的もあると思います。

また、場合によっては、腐敗菌の繁殖も抑えらるようです。

そのデータも探しておきたいとおもぃます。

これらの色々なファクターが重なって、鮮度が長持ちし、時間がたてば熟成していく(腐敗の方向に行きにくい)様です。


参照
Nippon Suisan Gakkaishi  80(6),965-972(2014)
筋肉内ATPによる冷凍カンパチ血合肉の褐変抑制
井ノ原康太 黒木信介 尾上由季乃
濱田三喜夫 保 聖子 木村郁夫
鹿児島大学大学院連合農学研究科、鹿児島大学水産学部食品工学研究室
有限会社敬天水産、鹿児島県水産技術開発センター



以下は、当時愛媛県で実施したハマチの鮮度比較写真データの一部です。ご参考まで。

Inked23.ハマチ刺身鮮度ネオVSネッカハーブ 戸島_LI.jpg
例 鮮度テスト ハマチ  左 試験区  右 対象区


Inked22.ハマチ坂本ネオ区戸島_LI.jpg
試験区(ハマチ3枚下ろし)


Inked22.ハマチ日清ネッカハーブ区 戸島_LI.jpg
対象区(ハマチ3枚下ろし)
各写真は、飼料メーカー愛媛事業所で撮影。

24.ハマチ鮮度テスト血合メト化状況.jpg
ハマチの血合い肉 時系列変化 写真




野人のたわごと

30年ほど前から、ATPの生産効率や生産量が生命現象に一番大事なファクターの一つであり、生体はどういう状況でもATPを効率よく作る方向(生命を維持する方向)に各生体器官や構成成分が連携して向かっているような気がしてなりませんでした。

当時は、農学部や産官学の窓口に当たるところで、生体内のATPの生産効率や量を測定してもらいたい話をすると、「行くとしたら医学部ですね。」などと言われて、なかなか相手にされませんでした。

それが現在では、色々な大学や研究機関の農学系でもどんどん色々な論文やデータが発表されるようになりました。

自分の体を壊し、体の検査データを見せてもらう度に、ますますその考えは強くなっていました。


参照
HEART‘s selection2
ストレス応答と心臓の病態生理
低酸素ストレス応答
高島成二 大阪大学大学院医学系研究科 医化学講座
ストレス応答性1379〜1382心臓Vol.47 No.12(2015)


色々なやり方や考え方があると思います。

個人的には、免疫や代謝の機能が上がるような、方法(飼料設計や飼養管理)をチョイスされるのが良いのではないかと思います。

いやー 面白いですね。

専門の科学者の先生方のお話を聞かせてもらいたいなあ。 コロナが落ち着いたら。

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ヒラメでの体験ー2 [ヒラメの環境閾値]

ヒラメでの体験―2 魚類も細胞レベルで活性状態になると、摂餌可能水温域などの生理反応の環境閾値も広がるようです。

ヒラメは当時の養殖魚類の中では、非常にデリケートで、環境変化にも弱く、また影響されやすいという事で、試験するときにはヒラメでデータ取りすることが多くなりました。

畜産でデータを取る時、ブロイラーで試験することが多いのと同じです。
もちろん試験期間も短くて済みます。

20年ほど前、愛媛県のO水産さんの海面ヒラメで試験した時のことです。

Oさんは、試験が好きな様子で、色々な添加物やエサを投与するときに半分づつ分けて比べるという事を良くされてました。

以下テストの状況

海面ヒラメ養殖で、試験区及び対象区各1生け簀。餌はモイストペレットの時代です。
この年の夏は猛暑となり海面表層水温が30℃ほどになりました。


夏休みで帰省していたOさんの息子さんが投餌すると、


対照区は、ヒラメが浮上すらしません。だだペレットが海面の落ちるだけで静かなものです。


ところが試験区は、ヒラメが海面でバシャバシャと、ファイトしながら摂餌しつづけました。

これにはさすがのOさんもびっくりです。認めざる負えません。


こういうテストを繰り返し、Oさんは、メイン魚種をハマチからタイに変えた後
ブランド化に踏み出しました。


「少しは当時のOさんのお役に立てかなあ。」と思います。


このテスト結果を見る限り、間違いなく「ヒラメの摂餌可能水温閾値が広がった。」と言えると思います。(本来の能力を発揮するようになる)

こういう状態で養殖できれば、当然オーナーの狙いどうりの結果が出やすくなり、当然歩留まりもFCRもより計画通りになりやすくなるのではないでしょうか。


結果として、経営の安定化につながってくるのではないでしょうか。


相場に左右される養殖魚類や畜産動物は、とくに歩留まりやDGやFCRや品質が即経営効率を上げる大きなファクターになってくると思います。


色々と大変ですが、フレキシブルに変化しながら努力して、もっともっと良くなってください。


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おもしろい話 魚病細菌 Ⅰ [おもしろい話]

30年以上にわたって、農家や漁家の皆様や専門家の先生と、色々な試験や新しいやり方などを続けていると、不思議な現象を見たり、面白い結果を得たりすることが多くあります。 
その中から・・・。

  おもしろい話   病原菌

下の写真は、魚病生菌(魚の生きた病原菌)の繁殖テストの状況写真です。(1998年ころ)                   (魚類防疫士 Ⅿさん)

Ⅿさん(当時はヒラメでは第一人者と言われていました。)は、
専門誌に「薬を使用しない養殖の試み」という記事を何度か投稿されていましたが、
その中に、機能水を使ったデータを掲載されています。

その頃にいただいた、弊社の機能水を使用した時のデータ写真です。


魚病生菌発育阻止テスト1 各シャーレ 左 試験区 右 対象区.jpg


縦に左から、ストレプトコッカスSP 真ん中エンテロコッカス 右エドワジエラタルダの魚病細菌です。

3種共に各シャーレの、 左半分が試験区。   右半分が対象区。  です。

各試験区は機能水(横に2種:オルメクとランタム)で各菌を培養し、対象区はそれぞれ、精製水及び他のミネラル水で培養しました。

結果として、

すべての試験区(オルメクとランタム共に)では、病原菌の繁殖が抑えられ、 すべての対象区では、病原菌は強く繁殖し多数のコロニーを形成しました。

当然、有効菌を接種すると、試験区に多くのコロニーを見、対照区にコロニーが少なくなると推測されます。

こういう先生には、なかなか出会えません。農家や漁家のご主人や奥さんには非常に参考になり、助かると思います。(ああ、あの時感じたのはこういう事だったのかと。それなら、またこうすれば管理が楽になると。)



 野人のたわごと。 

この後、Mさんと一緒に養殖現場でいろいろなフィールド試験を行い、一部はMさんが専門誌に投稿されていました。二人して漁家の皆さんのためになる結果を求めて。

同じ「環境場」で培養して、このような差が出るという事は、やはり他にもファクターがあるという事ではないでしょうか?

そして、それらをうまく活用できれば、魚群管理(牛群管理・栽培管理)も楽になるのではないでしょうか?
もちろん基本である飼養管理・栽培管理をしっかりやっての話だと思いますが。

おそらく口から肛門(体外)の場(農業の場合土壌の場)がこのようなファクターでうまく形成されると、原生動物や微生物の組成も変わる事でしょう。

そして、「おもしろい話 堆肥」のような発酵が起こったのでしょうか?

いやー。 考えると、本当に面白い。 想像(思考)は爆発だ!

体内の場(細胞内)も合わせてうまく形成されると、細胞内諸器官も本来の機能が安定して、
狙い通りの飼養管理や栽培管理が、出来やすくなるのではないでしょうか?


もしその推測(仮説)が正しければ、飼料要求率や増肉係数、変動係数、歩留まりや成長、収量や品質にも有意差が生じることを、期待できると思う。


そのあたりのフィールド(現場)データを探してみよう。




「心で見なくっちゃ、ものごとは良く見えないってことさ。かんじんなことは目に見えないんだよ。」                         
                           サンテグジュペリ 星の王子様


でも農家や漁家の名人達にはかないません。
 
たぶん見えているんです。

牛元気情報  http://usigenki.blog.ss-blog.jp/
魚元気情報  http://sakanagenki.blog.ss-blog.jp/
農家(作物)元気情報  http://noukagenki.blog.ss-blog.jp/





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おもしろい話 病原菌 Ⅱ エドワジエラタルダ  [おもしろい話]

30年以上にわたって、農家や漁家の皆様や専門家の先生と、色々な試験や新しいやり方などを続けていると、 不思議な現象を見たり、面白い結果を得たりすることが多くあります。 その中から・・・。

おもしろい話  病原菌 Ⅱ


ヒラメの魚病生菌エドワジエラタルダのコロニーが、時間と共に減少していく状況写真です。

*写真1(原本をもらっていますが出てこないので、同じもののコピーを引用します。見えにくいですがご容赦ください。)

エドワジエラタルダ コロニーの減少対照区1試験区対照区.png




野人のたわごと

5年~30年以上、皆さんと一緒に色々なノウハウを活用して、経営に取り入れていると長期間続けているうちに

「ヒラメのエドワジエラ症が、前ほどまん延しなくなったような気がする。」とか

「出ても、本当に効きにくくて苦労していた薬や治療が、良く効くようになった気がする。」とか

「最近、牛を出さざるおえないような強い乳房炎が、以前ほどでなくなったような気がする。」とか

「乳房炎が出ても、治療が良く効くようになったので、乾乳期にきちんと治療するようになった。」とか

「作物の立ち枯れが、あまり出なくなったような気がする。」

などのお話を農家や漁家のご主人から、良く聞く様になります。

一番面白かったのは、

魚病研究室で 永年機能水の色々な作業や試験をしていると、ある時室長のⅯさんから、「エドワジエラを培養しても強く出なくなった。培養できなくなった。」というようなお話をお聞きしてことがありました。

もしかすると、研究室の「場」が変わったのかな? と考えたのを覚えています。

もしかすると上の写真のようなことが、消化器官内や細胞内、そして生け簀の中や、畜舎の中や、圃場で、長い年月をかけて起こっているとは考えられないでしょうか?

もしそういう事もあるなら、農場や牧場、養殖場などの大切な立地条件の一つに、その地域の地下水や地下海水の良し悪しも入ってくるだろうなあ。


いやー、おもしろい、おもしろい。

いろいろなやり方や、考え方があると思います。
そしてその考え方やり方が、アドバンテージになる様な方法が良いと思います。



事実は小説より奇なり。
バイロン「ドン・ジュアン」の中の一節から生まれた言葉。


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*写真1 水野芳嗣 薬を使用しない養殖の試み(下) アクアネット1998・12月より



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ヒラメでの体験ー1 [ヒラメのエドワジエラ症]

ヒラメでの体験―1
愛媛のYさんは、もう何年もヒラメをエドワジエラではほとんど殺していません。  この地区は一般的にはヒラメのエドワジエラはかなり出ていて、他の病気なども合わせ歩留まりは非常に悪いと聞いております。
Yさんは、特別なことがなければ良い年は、おまけ分を殺すくらい、途中までは仕入れ美数より放養尾数が多いというのはよくある事です。

稚魚にたまたま病気が入っていたとか、給水管からスクーチカを吸い込んでしまったとか、新型の病気が入っていて対応が遅れた、とか特別な事があっても80%~90%近くは止めているのではないでしょうか?(詳しいことまではお聞きませんが。)

何もなければ、上記の通りです。

FCRも生育途中にランダムにご本人が計測すると、1、0を切っていることが多いです。

この地区は病気が多く、聞くところによると、年によっては歩留まり50%とか60%とか、耳にすることもあります。それが本当ならば、FCRも相当に悪いはずです。

これだけの差があると、経営内容に違いは計り知れないほどです。
食べさせて太らせた魚が、斃死するとそれは経営に響くはずです。

これだけ聞くと、すごい話のようですが、過去30年データを取ってきて、歩留まりが100%近くて、FCRが1前後などという事は、過去には多々経験してきました。

このころから産地ではエドワジエラが多発し投薬してもなかなか効果が期待できず、大変な状況になりました。、M漁協のMさんからお声掛けいただいて、ヒラメET末の試験を始めたのもその頃だったと思います。


資本のない私が、先の見えないいつまでかかっても成功しないかもしれないテストに、エネルギーや時間、資材を提供し続けるのは、物心共に大変でした。ただ、「皆さんのためになるかもしれない。」というお話を伺い、若さと正義感で突っ込んだのを、いい思い出として覚えています。結局、地方でどんな技術が出来ても、飼料メーカーさんに取り上げていただけたり、餌に取り入れていただけたりすることはほとんどないという事が、何十年もデータを取り続けて、やっとわかりました。


以下愛媛K水産(2002年の陸上ヒラメ養殖)のデータです。


R2年2月23日ヒラメデータK水産2002年スキャン_20200223 (2)_LI.jpg


3年連続でデータとっていただきましたが、すべて同じような結果でした。 もちろん当時は、飼料メーカーさんのEPも内容が良かったし、環境も違うかもしれませんすべて現在と同じではありません。 しかし、生のフィールドデータです。

当時でも、歩留まりが悪くエドワジエラに苦しめられていたオーナーは多々おられました。その後は、外国のヒラメ養殖参入そして輸入などの環境変化も重なり徐々に産地も疲弊し縮小されていきました。

ではなぜ、当時もいまもこれだけ経営内容に差があるのか。 基本的には、良い餌・良い飼養管理・タイムリーな専門機関への対応、の3本柱だと思います。これが一番。 次に考えられるのは、畜産動物や作物を見てきてもいつも思うのですが、受け入れる側の(この場合ヒラメ)の細胞が本来持っている代謝合成能力を発揮できる状態ではないのではないだろうか。という事です。 受け入れる側のヒラメの細胞が、代謝の悪い状態であれば、どんなに良い餌をやってもいくら高い栄養剤や治療を行っても、ねらい通りの結果は期待できません。 結果として、枝葉末節に経費と労力と時間を使い(経営の3大資源)、心身ともに疲れ果てだんだんと疲弊していくのではないでしょうか。 先ずは受け入れる側の、ヒラメを細胞レベルで活性化させ、上記3本柱を適切に行う事によって、Yさんたちは、狙い通りの結果を出しやすい状況を作っておられるように感じます。 オーナーの狙い通りの結果が期待できる、出しやすい魚体を細胞レベルでキープしていくことが大事なのではないかと感じました。


ワクチン開発や、遺伝子操作などこれからどのような流れになって行くのか、専門外の私には想像もつきませんが、生き物を飼うのはいつの時代もそう簡単ではないと思います。



時代はどんどん変化していきます。養殖経営もフレキシブルに変化していかなくては生き残れません。だから経営は苦しいけれど面白いのではないでしょうか。「之を楽しむ者に如かず。」と行きたいものですが。 大変だと思いますが、頑張ってください。 そして、もっともっと良くなってください。


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